講演記録「東京都のIRカジノ構想とその危険性」/鳥畑与一・静岡大学人文社会科学部教授(国際金融論)
●江東区政を考える会、市民と政治をつなぐ江東市民連合、臨海開発問題を考える都民連絡会が共催した「江東区にカジノはいらない!」学習会(2020年1月17日)での講演ほぼ全編を収録。
海外のカジノの実態、カジノの儲けの仕組みと自治体のリスク、カジノ会社の破たんの例などもデータに基づいて理解できる基調は内容です。(1時間8分)
●…IR(統合型リゾート)をめぐる汚職事件で衆院15区選出の秋元司議員の逮捕(議員辞職せず自民党を離党)で各地のカジノ誘致の動きが国民の大きな関心事になっている時、秋元議員の地元の住民運動団体、江東区政を考える会、江東市民連合と臨海開発問題を考える都民連絡会が共催して国際金融論の専門家である鳥畑与一氏(静岡大学教授)を招いた学習会を1月17日に開催。
鳥畑氏は、パチンコ・競輪・競馬に熱中し多重債務に苦しむ人たちの上限金利引き下げ運動、カジノ賭博場設置反対運動を進めてきており、カジノ導入で暮らしと経済がどのように破壊されるか、警鐘を鳴らしてきました。
鳥畑氏は冒頭、刑法の賭博禁止の適用除外までして導入に走る理由は「巨大な利権争いという本質」を指摘し、カジノ企業の儲け方を解き明かし、北海道、千葉、横浜、大阪、そして東京などの最新状況を明らかにしました。
既にカジノで有名なラスベガスやシンガポールの例を紹介しながら、IR(統合リゾート)はカジノの収益に依存し、「顧客を貧しくすることでしか繁栄しない」「家族みんなをギャンブル依存症に誘導する施設」であり、地元自治体には「マイナスの経済効果」という重大な本質を明らかにしました。